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Day 2012-04-18

最初に自動巻クロノグラフを作ったのはどこか?その8

では最後のメーカーに行きましょう。もちろん我らがセイコーです。 セイコーは創立を1881年まで遡れます。これは明治維新からわずか13年後ですから相当古いころといえます。アメリカの時計メーカー、ハミルトンの創設が1892年と自社のホームページでアナウンスしていますから、それより10年近く古いです。同じ1969年には世界初のクオーツ式腕時計を発表して、スイス時計産業にかなり大きな影響を与えます。 世界初のクオーツ式腕時計を開発したのは、諏訪精工舎(現在のセイコーエプソン)でした。一方東京の亀戸の第二精工舎(現在のセイコーインスツルメンツ)は機械式時計に力を入れていました。セイコーは伝統的にこの二社がしのぎを削って新製品を開発してきています。実はセイコークオーツの発表の一年後1970年には第二精工舎から世界初の低消費電力CMOS ICを使ったクオーツ時計が発表されています(36SQC)。クロノグラフも同様で、諏訪精工舎がこのころは自動巻きクロノグラフの開発も行っており、70年になると同様の自動巻きクロノグラフが第二精工舎からもリリースされます。 セイコーは、ホイヤーやゼニスと違って、ムーブメントメーカーを買収するというわけにもいきませんので、自前の仕組みでクロノグラフの自動巻き化を推進することになります。そのプラットフォームに選ばれたのが、セイコースポーツファイヴでした。ホイヤーやゼニスと大きく違うのは、セイコーは当初からローコストを追求する選択をしていた、ということです。

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