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Day 2012-05-06

最初に自動巻クロノグラフを作ったのはどこか?その18

最初に自動巻クロノグラフをリリースしたのは、どこのメーカーだったのか、まとめです。 ゼニス/エルプリメロ…ゼニスのウェブでは、「完全一体型のコラムホイール式自動巻クロノグラフ・ムーブメントを開発した最初の時計メーカー」と主張しています。どうもライバル のホイヤーーブライトリング(カム式、モジュール型クロノグラフ)に対して「難しいことをきちんとやったから時間がかかったんだ」という負けた怨念が垣間みえるようです。たしかにエルプリメロの完成度は高く、現在まで通用する基本設計がなされていました。 ホイヤーブライトリング/キャリバー11…ホイヤーのウェブでは、初の自動巻クロノグラフムーブメントを開発、発表となっています。ブライトリングのウェブでは、共同で自動巻クロノグラフを開発した、となっています。どちらかも余裕のコメントですね。やはり時計は量産できてはじめて製品といえるのでしょうから、世界で一番早く自動巻クロノグラフを製品化した、またそれを分かるようにきちんと発表もしているという自信があふれているように見えます。キャリバー11自体は、マイクロローターの巻上効率が悪く、すぐにキャリバー12へと更新されていますが、このモジュール構成は後のムーブメントに大きな影響を与えました。現在、同様のモジュール構成をとった自動巻クロノグラフムーブメントとしては、有名なバルジュー(ETA) 7750があります。 セイコー…発表はホイヤー-ブライトリングに遅れること二ヶ月の5月です。しかしながらホイヤーープライトリングのキャリバー11の量産が夏であることを考えると、ほぼ間違いなく量産を開始したのは一番早いです。69年3月という量産初期のシリアルの時計がけっこうウェブで見つかります。クロノグラフのピラーホイール制御、世界初の垂直クラッチの採用と設計にも見るべきポイントがあります。この垂直クラッチは近年のクロノグラフムーブメントに大きな影響を与えています。有名なところでは、ロレックスのデイトナ4130にも採用されています。 1969年1月10日 ゼニスがエルプリメロの試作品をスイスの特定のプレス向けに発表 1969年3月 セイコーがセイコースポーツファイブ6139を量産開始 1969年3月3日 ホイヤーーブライトリングがキャリバー11を大々的に発表(スイス、ニューヨーク) 1969年4月 ホイヤーーブライトリングがキャリバー11をバーゼルで発表 1969年5月 セイコーがセイコースポーツファイブ6139を発売 1969年夏 ホイヤーーブライトリングがキャリバー11をデリバリー開始 1969年10月 ゼニスがエルプリメロをデリバリー開始 この稿、これで終わります。

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