日本の常識としては、量産が完了して発表するのは当り前で、発表は「発売」と同じです。

ところが世界の常識はちょっと違うようです。発表したといっても、かならずしも「発売」しなくてもいいようです。まあそれはそうですね。最近のバーゼルでも同じです。バーゼルで発表された時計が入手できるまで半年待ちなんていうのはザラにあります。40年後の現代ですら、そのペースが許容されるのですから、40年前はいったいどうだったんでしょう?

さらに「量産開始時期」というのは回りからは分かりません。分かるのは「いつ、どこで、どのような形で発表したか。それはどのくらいの数だったか。品質はどの程度量産に耐えうるものだったのか」というアナウンスされたときの状況だけになります。

では、量産の準備が完全に整っていなくても発表したもの勝ちなのでは?

もちろん時計に限らず、どんな発明にもその要素はあるでしょう。いくら自分で発明していても、それを「発明した!」と一般にアナウンスしてくれなかったら、一般からは発明していることは分からないです。それを分かれと言われてもちょっと困りますよね。