さて機械式時計の大分類はできました。引き続き、その機械式WristWatchに含まれる機能を分類していきましょう。

  1. 時計ケースおよび外装
    • ケースサイズ(幅20mm~50mm、厚さ7~15mm)
    • ケース形状(ラウンド、角型、樽型、長方形、クッション、楕円形)
    • ケース材質(ステンレス、プラチナ、イエローゴールド、ホワイトゴールド、レッドゴールド、チタン、金メッキ、金張リ、セラミック、アルミニウム、ザリウム)
    • 防水機能(非防水、日常生活防水、日常生活強化防水、空気潜水、飽和潜水)
    • 対磁能力(JIS一種、JIS二種)
    • ケース裏蓋(スナップバック、スクリューバック、一体式、シースルーバック)
    • ケース仕上げ(ポリッシュ、ヘアライン)
    • ベゼル形状 (フラット、コインエッジ、ステップド、両方向回転式、片方向回転式)
    • ガラスの材質(プラスティック、ミネラルガラス、サファイアガラス)
    • ガラス形状(平面、ドーム)
    • ガラスコーディング(コーディングなし、片面無反射コーディング、両面無反射コーディング)
    • リューズの形状(オニオン、ラウンド、ストレート、ファセット)
    • ベルト材質(カーフ、クロコ、リザート、ウレタン)
    • バックル形状(尾錠、3つ折れ、観音開き)
  2. 文字盤
    • 表示機能(時分秒、日付、曜日、月齢、GMT機能、クロノグラフ機能、ワールドタイム、永久カレンダー)
    • 色(白、マットブラック、ミラーブラック、ブルー、レッド、グラデュエーション)
    • 材質(メタル、エナメル、シェル、メテオライト)
    • 装飾(ギョーシェ、タペストリー、スケルトン、インダイヤルのレコード溝)
    • インデックス (ブレゲ数字、アラビア数字、ローマ数字、バー、ドット、リーフ、楔形)
    • 針の形状 (スペード、リーフ、バトン、ペンシル、ブレゲ、アロー、ベンツ、コブラ、サーペント、ドルフィン)
    • カレンダー表示(デイト、インダイヤル、ポインターデイト、デイデイト、ビッグデイト、トリプルカレンダー)
    • 秒針の配置(センターセコンド、スモールセコンド、なし)
    • クロノグラフのレジスター配置(縦3つ目、横3つ目、縦2つ目、横2つ目、同軸クロノ)
  3. ムーブメント
    • 精度 (クロノメータ規格、GS規格、PPシール)
    • 内蔵ゼンマイの数(1、2)
    • ゼンマイの巻き上げ方式(手巻き、自動巻、手巻き付き自動巻)
    • ムーブメントの振動数(5.5振動、6振動、8振動、10振動)
    • ムーブメントの審美性(ジュネーブシール、PPシール)
    • 二番車の位置(センター、オフセンター)
    • 脱進機(アンクル、コーアクシャル)
    • 緩急調整方式(エタクロン、トリビオス、スワンネック、ジャイロマテックステンプ、マイクロステラナット)
    • ヒゲゼンマイ(平ヒゲ、ブレゲヒゲ)
    • 自動巻ローターの配置(センターローター、マイクロローター、ペリフェラルローター)
    • 自動巻の巻き上げ方式(両方向巻き上げ、片巻き上げ、リバーサー、スライディングギア、ラチェット、スイッチングロッカー、ペラトン)
    • クロノグラフの制御機能(コラムホイール、カム)
    • クロノグラフのクラッチ機能(垂直クラッチ、キャリングアーム、スイングピニオン)

まだまだありますが、代表的だと思われる分類項目だけ並べてみてもこの有様です。それぞれの項目はそれぞれに重要です。とくに重要なケースの素材や文字盤、針には様々なバリエーションがありますね。リーフ針かペンシル針かで全然印象が違いますし、無反射コーディングの片面と両面で文字盤の印象はこれもまた全然違ってきます。リューズの形なども印象にかなり影響を与えます。機械式時計の技術には数百年の歴史があり、それぞれの機構に、それぞれ開発に至った動機があります。歴史の中に消えていった技術も多いです。

写真はブライトリング クロノマット。当初はエボリューションと呼ばれていたモデルで、2008年ごろのモデルです。ムーブメントはブライトリングチューンのValjoux7750。ブライトリングチューンのこのムーブメントは、1969年に最初に開発された自動巻クロノグラフムーブメントの一つ、ブライトリングーホイヤー連合によるキャリバー11の直系の子孫といってもいいでしょう。

ブライトリング クロノマット