この時計はコスパがいい、という言い方をすることがある。
このコストについてだが、時計の場合は、原材料費に加えてその加工のための費用が必要である。それ以外にも、工場の設備の維持・更新のための設備投資が必要になる。
ではそのコストは一体どのくらい必要なのだろうか。時計の例に入る前に、日本の製造業代表として、まずは Panasonic さんにご登場いただこう。2018年度の有価証券報告書によると以下である。
- 総売上高: 8,002,733 (百万円)
- 売上原価: 5,736,234 (百万円)
- 販売費および一般管理費: 1,939,467 (百万円)
- うち広告宣伝費 97,600 (百万円)
- 設備投資: 3005億円
上高8兆円に対して、工場を稼働させて製品を作るための原価が5兆7千億円。作った製品を販売するための営業、広告、間接部門にかかる費用が1兆9千億円。工場への設備投資が3005億円。さすがに日本を代表する製造業だけあって売上高もそれにかかる費用も桁が違うが、いずれにしても製造業の製造コストは決してそう低いものではないというのがお分かりいただけるのではないだろうか。
今回の時計はオメガスピードマスター MarkV。自動巻のオメガ1045を搭載したドイツモデルである。
Leave a Reply