トルクに関して理解が進んだところで、次に進めていきたいのは、精度保証の仕組み、テンプの動きについてである。一般に、クオーツ時計は、原発振周波数が高いから機械式時計よりも精度が良いとよく言われる。本当にそうなのだろうか。まずここからはじめてみたい。
筆者はかつて、機械式時計はなぜ動くのか その1にて、
32KHzと 5Hz、6400倍もの差がありながら、クオーツおよび機械式時計の精度の差はおおよそ数十倍程度です。
と書いた。
たしかにクオーツ時計は精度が良いが、発振周波数の差と精度の差とを比較すると、発振周波数の差に比較して、機械式時計の精度は良すぎるように思えてしまう。
きちんと作られた機械式時計は、きちんと整備をすると、数十年前の時計でも日常使いできる精度で動作する。機械式時計の仕組みとは、実に、驚くほど完成された仕組みなのではないだろうか。
写真は、整備から上がったばかりのセイコー社のヴィンテージ時計、ロードマーベルである。防水が期待できないこの当時の時計を、この暑い最中、普通に着用して仕事で使っているが、日差+3秒、パワーリザーブ48時間で快適に時を刻み続けている。
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