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本物のス丶メ その8

さて前回までに「時計」の値段は下っているということが分かった。少なくとも一般的な感覚では、昭和40年代中頃から現在の令和元年くらいまでの50年に時計の価格はおおよそ1/3 になっている。昭和40年代、戦後20年を経、もはや戦後ではないと言われ各家庭にモノクロTVガ普及した時代である。そのころの時計はやはり高かったのである。 よく「本物は高くて買えないからニセモノでいい」という人がいる。 だが実際には、本物は高くなっていないのである。本物が欲しいのであれば、日本にはほんとうに様々な選択肢がある。たいていの地元には一つや二つの時計店があるし、少し出掛ければデパートや量販店がある。そこで偽物をつかまされることはまずない。 本物が欲しいのであればどこでも行って本物を買えるのこの日本において、わざわざ正規の流通ルートでは入手できない偽物をどこからか入手して、その偽物を自分の身をつけようというのであるから、価格はともかく、手間は圧倒的にかかっているわけである。 では、そこまでして「高くて買えない本物」というのはなんでろうか。 ここである仮説をたてたい。本物が簡単に入手できる日本において、高くて買えない本物というのはいわゆる「ブランド品」ではないだろうか。 次から、ではブランド品は本当に高いのか、という検証を行いたい。 今回の時計はセイコーエクスプローラとも言われる Apinist。もちろん本物である。     5

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