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最初に自動巻クロノグラフを作ったのはどこか?その7

さて、いよいよモジュールメーカーのデュボア・デブラの出番です。 この会社はいまではモジュールメーカーとして不動の地位を占めています。ブライトリングやジャガールクルト、パテックフィリップ、ロレックス、オーディマピゲ、リシャールミルなどありとあらゆる有名メーカーにモジュールを提供しています。得意とするのはカレンダーモジュールと、クロノグラフモジュールです。APのロイヤルオークオフショアのモジュールはこのデュボア・デブラの仕事です。 会社の創立は1901年まで遡れます。デュボア・デブラは当時からクロノグラフなどの複雑機構を得意としていました。現代のクロノグラフ(ストップウォッチ機構つきの時計)の原形は、1862年のロンドン博覧会で発表されたアンリ・フェレオル・ピゲ(Henri-Fereol Piguet)というのがおそらく正しいでしょう。ゼンマイの動力源(香箱)は一つで、ストップウォッチの動作中に時計の動作が止まることはありませんでした。そしてブライトリングによる腕時計型クロノグラフの開発は1915年とされていますから、1901年のデュボア・デブラの創設時はまさにクロノグラフの開発が発展途上だったころと重なっています。 そのデュボア・デブラは1960年代当時はホイヤーと密接な関係にありました。ホイヤーのキャリバー7700のストップウォッチはデュボア・デブラの仕事です。他にはモンテカルロストップウォッチ(7714)のモジュールもデュボア・デブラです。 こうしてデュボア・デブラは、ビューレンによる薄型の自動巻きをベースとしたクロノグラフ用のモジュールを一から開発するという、このプロジェクトで一番難しい個所を担当することになります。このグループの自動巻きクロノグラフの開発競争は、ほぼデュボア・デブラ次第ということになったわけです。

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