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本物ノス丶メ その1

フリマやオークションが盛んだ。2018年度、国内トップの取扱はヤフオクで8899億円。それを猛追するメルカリが5307億円。日本の百貨店全体の売上規模がおおよそ6兆円であるから、ヤフオクとメルカリだけですでに百貨店全体の売上の1/4に相当する金額を取り扱っていることになる。ヤフオクは、2016年度の8966億円を頂点に国内首位をキープする一方で、スマホを主戦場とするメルカリは前年度に比べて40%以上も取扱高を増やしている。他方では、各地の百貨店の統廃合のニュースも喧しい。今後もこのネット主導の流れが後退することは考えにくく、時計を含む宝飾品やブランド品もネットで購入する割合が今後とも増えるであろうことは間違いない。 ところで、一消費者としてこの流れには困ることがある。百貨店を含む実店舗が減少して、本物を見る機会が減少してしまうと、購入の決断をネットのみで行わなければならなくなるのである。日本の百貨店の信頼性は非常に高く、そこで取り扱われる品物は本物で間違いないとほぼ100%信じられている。一方でネット店舗、とくに宝飾品やブランド品に関する店舗の信頼性は、もちろん真面目に商売を行っている商店もあるが、そうではないところもあり、玉石混交といってもいい。 もともとインターネットの普及する1997年(平成9年)以前から、百貨店、専門店以外の信頼性はたいして高くはなかった。当時から宝飾品やブランド品の正規の取り扱いは百貨店や専門店に独占されており、その二次流通の経路として質屋や古物商などがあった。この経路の商品は、例えば「なんでも鑑定団」を見ていても分かるが、当時からまさに玉石混交であって、本物もあればとんでもない偽物も多かった。 ただインターネットの普及以前、本人は実物を見てから購入できた。欲しいものがどうしてもあって、それを何らかの理由で「安く」購入したい場合は、実物を見てから自己責任で購入してきたのである。ところが昨今では、実物を見ずに購入するのがむしろ主流である。スマホでクリックするだけで商品を購入できるし、しかも以前からの二次流通の経路である質屋や古物商などと違い、免許もない一般消費者から購入することなどももはや当たり前となった。もともと玉石混交だった二次流通カテゴリは拡大に拡大を続けており、それに伴い一般人が偽物に触れる機会も格段に多くなっていると考えてまず間違いないであろう。 そこで、ちょっとした誰にもできる注意点などを書いていきたいと思う。 今回の時計はセイコーブライツ。セイコーの正規店にて購入したデットストックである。

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