腕時計とそれを取りまく世界 Since Apr 2012

Tag 5万ドル

最初に自動巻クロノグラフを作ったのはどこか?その6

さてホイヤーーブライトリングというスポンサー連合が結成され、薄型の自動巻モジュールもビューレンからの新作で目処が立ちました。あとはクロノグラフモジュールです。 クロノグラフというのは、簡単に言うとストップウォッチです。いまだと100円ショップで売ってますので、どんなに難しかったのか、ちょっと感覚として分かりにくいですね。ただ、現在のような仕組みがない時代、たとえば昔のオリンピックでの計測は大変でした。人間が手でスタート、ストップを押していたので、人によってばらつきがでます。そこで10人程度で計測して、その平均を公式記録とするなどの方法がとられていました。 その他の社会的な要請としては、当時歴史的な発達を遂げた航空界などもありました。時速1000Kmで飛んでいると、1秒で280mも移動してしまいます。 50年代、クロノグラフは、このようなプロフェッショナル用途から一般の腕時計への展開がはじまっていました。1960年代にはブライトリングはアメリカで5万ドル(現在の価格で約400万円、物価が10倍として4000万円)を投じたキャンペーンを展開、007のサンダーポール作戦ではショーン・コネリーの腕にもブライトリング トップタイムがはめられました。 さて、この計時機能ですが、計時する時は、本体の時計部分から動力を分けてもらいます。これは動力元のゼンマイからいうと、動かすべき歯車が増えることになります。そのために精度が落ちては計測の精度が落ちてしまいますので、このクロノグラフモジュールの設計には、本体部分をきちんと理解した上で、限られたスペースに複雑なモジュールを設置する必要がありました。

© 2025 Wristwatchな世界 — Powered by WordPress

Theme by Anders NorenUp ↑