本物のコストは本当に高いのか。
前回、製造業の原価は意外と高そうだということを見た。では次に日本を代表する時計メーカーとして、セイコーの製造コストについて見てみよう。
2019年度の有価証券報告書によると以下である。
- 総売上高: 247,293 (百万円)
- 売上原価: 150,955 (百万円)
- 販売費および一般管理費: 86,943 (百万円)
- うち広告宣伝費 16,905 (百万円)
- 設備投資: 5,029 (百万円)
約2500億円の売上高に対して、工場を稼働させて原材料を加工し製品を製造するためのコスト、売上原価が約1500億円。販売にかかる一般管理費が約870億円、このうち広告宣伝費が170億円程度。設備投資が約50億円。前回のPanasonicの総売上高が8兆円だから、売上規模は大きく違うが、比較してみると興味深いことが分かる。
- セイコーは。広告宣伝費の売上高に占める比率がPanasonicよりも著しく大きい 。同じ金額を売り上げるのに5倍以上の広告費をかけている。
- 原価の売上に対する比率は、セイコーが一割程度低い 。
- Panasonicは、設備投資の総売上高に対する比率が高く、セイコーの二倍近い。
セイコーは、ウォッチ事業以外にも電子デバイス事業など他の事業も展開している。ウォッチ事業の売上は、5割強であるからあくまで総括的な傾向であるが、やはり贅沢ブランドを含む企業体は広告宣伝費が大きく、原価が低く、設備投資も若干低い傾向にありそうだということが分かるのではないだろうか。
今回の時計は、ホイヤーコルティナ。ホイヤー=ブライトリング連合による自動巻クロノグラフキャリバー、クロノマチックを搭載する1977年の作品だ。
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