ジェンタのロイヤルオークケースの特許、どんどん読んでいこう。
ロイヤルオークは、ラグジュアリースポーツの始祖とされている。ロイヤルオークのデビューは1972年。よく知られている通り、金無垢の時計よりも高い(ラグジュアリーな)ステンレススティール製の時計であった。ここでジェンタは、それまで金無垢の腕時計しか作っていなかったスイスの高級時計メーカーが新機軸として打ち出すに相応しい、防水でかつラグジュアリーな時計を産みだそうとしていた。
次の段落には、ジェンタが、既存の特許の問題点をどう克服しようとしたのか、概略が再度語られる。
この防水時計ケースは、以下によって特徴づけられる:複数のネジ、それらのネジの頭は、ベゼルに埋め込まれるようになっており、内部に用意されているそのネジ用の受け穴に固定される。この受け穴は、ネジを効果的な角度に固定できるようにする。それぞれのネジとネジ受けとは、防水パッキン中に埋めこまれて貫通しており、ガラスとベゼルとケースとベゼル、ケースとムーブメント支持用のフレームとの間の防水性を保証している。
ジェンタは、薄い円環状のパッキンを直接圧縮することによって防水性を確保するシステムを不可とし、ムーブメント全体を覆うぶ厚い防水パッキンをケース裏蓋とベゼルとをケースを貫通するネジで固定するシステムを提案していることになる。
実は、ロイヤルオークの最初のこの特許では、受け穴は、ネジをきちんと固定するための角度を保つための受け穴として用意されており、ベゼル側のネジ頭の角度を調整できることに言及はない。特許の図ではベゼルの上のネジの角度は一定していない。
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